第二次世界大戦中のマラリア実験
戦場での病気対策
第二次世界大戦中、太平洋戦域での戦いは極めて悲惨だった。戦闘による危険に加え、マラリアなどの熱帯病が兵士たちを苦しめていた。シカゴ大学の研究者は、マラリアの治療法や予防法を確立するため、ステイツビル刑務所に収容されている囚人で人体実験を遂行した。この実験は非常に過酷なものであった。
囚人への感染実験
彼らは蚊を使って、441名の囚人をマラリアに感染させた。この実験は実に29年間も続けられたが、幸いにも死者は1名だけであったと言われている。成果はほとんど得られなかったが、実験に参加させられた囚人たちの苦痛は計り知れないものだった。この実験は後に多くの議論を巻き起こした。